2026.05.01
國學院大學 博物館
文学部 / 史学科
A.T. ※2018年卒業

神戸女子大学を卒業後、神道の研究をさらに深めたいと考え、國學院大學大学院へ進学しました。学芸員は狭き門という印象があり、自分がなれるとは思っていませんでしたが、大学院在学中、学内のアルバイトを紹介していただき、それが博物館にも関わるものでした。資料調査や展示準備を手伝うなかで学芸員の仕事の面白さを知り、より深く関わりたいという思いが強くなりました。タイミングにも恵まれて、今年から現職に就いています。

大学博物館は、学内の学術成果を社会に発信する役割も担っているため、さまざまな研究に触れる機会が多く、日々学びがあります。また、博物館の運営や展示準備、来館統計や館内環境の維持、YouTubeにアップする解説動画の編集など、携わる業務は多岐にわたり、目まぐるしい毎日ですが、とても充実しています。同時に、気を引き締めて取り組まなければと実感もしています。
展示準備がすべて整い、開館を待つばかりになった状態で展示室を歩くと、毎回じんわりとした感動があります。まだ自分にできることは限られていますが、少しでも関わった展示を来館者の方が楽しんでくださっている姿を見ると、大きなやりがいを感じますし、「もっと頑張ろう」という気持ちになります。

担任制で先生との距離が程よく近く、どんなことでも気軽に相談できる環境がとても良かったです。史学科の先生方は、いま振り返ると恐れ多いほど一流の研究者ばかりでしたが、いつも親身になって話を聞いてくださいました。研究を続けたいと考えていた私にとって、大学院進学の相談ができたことは大きく、先生方の支えがあったからこそ進学できたのだと思います。
また、のんびりとした校風も魅力で、キャンパス内でボードゲームをしたり、友達とコンビニのおでんを食べたり(笑)、好きなことをしながらのびのび過ごせる雰囲気もよかったです。
箏曲部に4年間所属して、みんなで合奏をしていました。毎年12月には演奏会を行い、お祭りのイベントで出張出演したり、老人ホームを訪れて演奏することもありました。1回生から4回生まで全員仲が良く、真面目に練習するだけでなく、みんなでおしゃべりする時間も楽しかったですね。

史学科では毎年夏休みに研修旅行があり、先生方の解説を聞きながら、寺社や歴史的建造物を巡ることができました。特に印象に残っているのは、4年生の時に訪れた和歌山県・熊野です。私の研究テーマが熊野信仰や熊野古道に関する内容だったため、卒業論文執筆中に研究対象の地を訪れられたことがとても嬉しかったです。熊野本宮大社や熊野速玉大社などを2泊3日で巡り、終始笑顔で和やかな雰囲気の中、先生方の解説を聞きながら学ぶことができました。
また、授業では、先生方が所有している資料を見せてもらえる機会も魅力的でした。普段は博物館のガラスケースに入っているような貴重な資料を間近で見られたことは印象に残っています。

もともとは世界史が学びたくて史学科に入学しました。転機となったのは、2~3回生の頃に両親と一緒に伊勢へ旅行したことです。帰りの電車で和歌山を通り、熊野の山深い風景が強く印象に残りました。またちょうど熊野を舞台にした小説を読んでいたこともあり、のちに現地を訪れたことで一層関心が深まりました。そこから、訪れた神社や信仰について調べ始めたことが、現在の研究に繋がっています。
神道を学ぼうと思い始めたのが3~4回生の頃でしたので、それから國學院大學大学院入試のために、急いで神道に関する基礎知識を身につけるのが大変でした。神戸女子大学の図書館が開く時間と共に入館して受験勉強をしながら授業も受けて、夜遅くに帰る生活を送っていました。

「興味を持ったことは、まず一度試してみる」という姿勢は、今の仕事でも大いに役に立っています。博物館の展示では自分の専門外のテーマを扱うことも多いのですが、好奇心を持ち続けることで学びが広がっていくと感じています。
大学では単位取得を目的に授業を選びがちですが、他学部の授業など、少しでも面白そうだと感じたものを受講してみるのもいいと思います。私自身、大学のオープンカレッジで、雅楽の龍笛(りゅうてき)を学んだ経験もあります。現在も気になる学会があればオンラインでも参加してみたり、展覧会があれば足を延ばして行ってみたりしています。

文系の大学院に進みたいと言うと、「就職が難しいのでは」と言われることもあるかもしれません。しかし神戸女子大学は、就職だけが進路ではなく、「好きなことをしていい」「さまざまな道がある」と背中を押してくれる大学だと思います。研究職も、選択肢の一つとしてとても魅力的な道です。少しでも気になる進路があれば、学内外を問わず、ぜひ飛び込んでみてください。思いがけないところで、自分のやりたいことのヒントに出会えるかもしれません。

仕事でもプライベートでもとにかくメモをとっています。職場のミュージアムショップで売っている野帳がお気に入りで、学生のころからずっと使っています。日々のお守りのようなものです。
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