Career Palette

神戸女子大学・神戸女子短期大学「キャリアパレット」

2025.06.02

夢だったサッカーとかかわる仕事。専属管理栄養士としてチームの勝利に貢献する

ブラウブリッツ秋田(日本プロサッカーリーグ加盟) / 専属管理栄養士

健康福祉学部 / 健康スポーツ栄養学科

T.A. ※2017年卒業

現在のお仕事を教えてください。

プロサッカーチーム・ブラウブリッツ秋田の専属管理栄養士として働いています。入社した頃から任されている仕事の1つは、年に20数回あるアウェイでの試合の食事管理です。しっかり栄養が取れるよう宿泊するホテルと調整。補食もホテルに依頼したり、現地で予約購入できるよう手配しています。2024年9月にクラブハウスが完成してからは、シーズン中の昼食も担当するようになりました。ほかにも選手の体組成データ作成や総務関連業務、地域貢献の一環として週に2回程度、子ども食堂も運営しています。

クラブハウスはできたばかりなのですね。

オープン前からかかわり、キッチン動線や導入する器具、食器などの選定をはじめ、食材の手配先や人員などについても決めてきました。走り出した当初は、本当にバタバタで。でも、選手に食事を提供し体づくりに貢献するという挑戦したかった仕事ですので、忙しいながらも前向きに楽しく取り組んでいます。シーズン中は週3~4日、約40食を提供。体組成から目標の栄養摂取量を出し、献立作成から発注、調理まで任されています。

このお仕事との出会いを教えてください。

今のチームは2チーム目です。両親の影響で物心ついた頃からサッカーが好きでした。3回生のときにご縁をいただき、山口県にあるプロサッカーチームのインターンシップに参加。栄養士ではなくフロントスタッフとして働きましたが、そのチームが寮を建てるタイミングで栄養士として声をかけてもらい、就職。結婚を機に1年半ほどで秋田に移り、運良く栄養士を探しているチームを紹介していただき、現職に至ります。

お仕事をする上で大切にしていることはなんですか。

スポーツ選手の場合、食事もトレーニングと言われますが、まずは「おいしく食べてもらえる」ことを大切にしています。普段は低脂質のものが中心ですが、オフの前にはカレーなども作っています。クラブハウスができてからは、選手と会話する機会が増え、選手に感想や要望を聞くようにしています。食事を通したからだづくりは、成果がすぐに目に見えるものではありませんが、日々を積み重ねることで、チームの勝利に貢献できればうれしいです。

大学での学びは、どのように活かされていますか。

坂元美子先生のゼミで取り組んだ、高校生・社会人スポーツチームの栄養アドバイスの経験はすごく力になっています。選手が提出した食事調査票からひたすら栄養摂取量を計算していました。体重や運動機能、貧血の血液成分の推定値などの数値を考慮しながら、栄養指導コメントも作成。当時はとにかく大変で、必要性もあまり分かっていませんでしたが、あれだけやっていたからこそ今、苦労せずに必要な栄養摂取量を出すことができています。そのとき栄養計算を担当していた選手が、今同じチームにいて感慨深いです。

学外での活動は、どのように取り組みましたか。

一人暮らしをしていた部屋から見える他大学サッカー部に乗り込み(笑)、マネージャーに。坂元先生に相談して、チームの栄養アドバイスも始めました。スポーツにかかわる仕事を見据え、スポーツビジネスの視点を学べる「ヴィッセル神戸スポーツビジネスカレッジ」にも参加していました。

ゼミの坂元先生にもお越しいだきました。Tさんはどんな学生さんでしたか。

坂元先生:芯が強く、目標のために信念を持って活動する学生でした。栄養計算など授業で大変なこともあったと思いますが、全然手のかからない学生でした。フロントスタッフとして参加したインターンシップ先から、栄養士として頼られるようになり、選手のメニューについて相談されることもありました。「学生の私では不安だから」と、私も少しお手伝いしたのを覚えています。のちの就職にもつながったインターンでしたが、人脈を築き信頼を重ねていく姿に感心したものです。

今後の彼女にメッセージをお願いします。

坂元先生:学生時代と変わらず志高く、プロサッカーチームの専属管理栄養士としての活躍する姿が、とても輝きうれしく思っています。ますますのご活躍を祈っています。

最後にTさん、今後の目標を教えてください。

公認スポーツ栄養士という目標としていた資格を取得しました。これまで毎年、スポーツ栄養学会に参加し発表を聞いていましたが、自分自身で発表するというのが次の目標です。サッカーJリーグの栄養士が集まる会では、参考に買った本の著者である栄養士の方との交流などもかないました。新しい情報や研究がどんどん入ってくる分野ですので、これからも勉強を続け、チームの勝利に貢献できるようにがんばりたいと思います。

私のOne rule

朝、必ずストレッチをすること

朝、必ずストレッチをすること

朝の集合がどんなに早くても、朝10~15分程度はストレッチの時間を取るようにしています。スッキリして1日をスタートさせられますよ。

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